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相互関税、いわゆるトランプ関税が
15%で突然の合意。参議院選挙の間は交渉は行っていないとのことだったけど、実際は水面下で交渉が進んでいた模様。ニポンの主力産業の一つである自動車の関税はこれまで2.5%が15%になる。普通に考えれば税率がとんでもなく高くなったように思えるけど、実際はそう単純な話ではなさそう。日本企業にとってかなり有利なディールではないかとの見方もできる。
本来のトランプ関税は輸入品に高い関税を課すことで、製造業のアメリカ国内回帰を目指すのがその目的。Made in USAの完成車には関税は掛からないけど、クルマの原料となる鋼板、樹脂パーツ、電子部品など、クルマを生産するために輸入されるパーツや原料には高い関税が掛かることになる。フォードやGMなどアメリカのメーカーがアメリカ国内でクルマを生産する場合も、輸入する部品には高い関税が掛かる。現在輸入に頼っていると言われる高張力鋼板を使用する場合は、鋼板に掛けられた50%の関税を支払うことになる。
一方でトヨタやマツダがニポンで生産して輸出するクルマにかかる関税は15%ポッキリなので、実はアメリカ国内で生産するより15%払ってでもニポン国内で生産した車を輸出する方が経済合理性が高くなる可能性が出てくる。今回の日米関税交渉では日本が妥協したという見方をしている人もいるようだけど、実は大幅に譲歩したのはトランプ大統領なんじゃないかな。
それよりも気になるのはアメリカの経済。インフレや物価上昇は避けられないので、Made in USA製品の輸出競争力は今よりも間違いなく落ちるハズ。壮大な社会実験の結末がどうなるのか関心はあるけど、トランプ大統領の政策でアメリカの国力が上がることはないような気がする。